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Histoire de mille nuits 09

09_パリ風の菓子として挙げている

中世には、砂糖入りの料理はほとんど知られていなかった。17世紀、アンティル諸島で砂糖キビが栽培されるまで、ヨーロッパにはハチミツと、イスラム教の国々から輸入される高価な蔗糖しかなかった。1975年に出版された「パリとイル=ド=フランス地方の料理」において、ロジェ・ラルマンはパリ風のものとして次のような菓子を挙げている。「ペ・ド・ノンヌ(尼さんの屁)」と呼ばれるベニェ・スフレ、クレーム・ボーヴォワール、パリ風クレープ、クレープ・シュゼット、…マドレーヌ、パリ・ブレスト、…サン=トノレ、シャンティ風タルト。(パリ歴史辞典、アルフレッド・フィエロ著、鹿島茂監訳、白水社)ある時、製菓長から「どんな菓子が好き?」と聞かれたので、たまたま食べたいなと思っていた「揚げ菓子、昔スタイルのドーナツのようなものですね」と答えました。すると、製菓長は「それなら」と一言、厨房の彼方に。しばらくして、「これ、うちで揚げたドーナツ。食べてみて」いやー。言ってみるものですね。洋菓子の分野に、揚げもの、揚げ菓子があります。ただ、最近は、なかなかお目にかかれません。どちらかというと、教科書の中にある、写真でみるしかできないようなものになっています。その中で「ペ・ド・ノンヌ」。尼さんの屁、と名付けられたのはベニェの一種。これはシュー生地を油で揚げるもので、かわいらしい形がよいのですが、それにしても思い切った名前をつけたものですね。シュー生地は、いつでもつくるような生地ですから揚げてみるのもよいでしょう。それにクレム・パティシエールを詰める!なんて美味しそうではないですか。ペ・ドゥ・ノンヌ(Pets de nonne)ベニェ・スフレの一種で、昔からの温製アントルメです。「修道女のため息」スピール・ドゥ・ノンヌ(Soupirs de nonne)とも呼ばれています。

水500ml、塩10g、バター150g、小麦粉400g、全卵5 ~6 個

この配合は、パーター・シューと同じです。厚手鍋に水とバター、塩を入れて強火にかけて沸騰に導きます。沸騰したらフルイにとおした小麦粉を加えてスパテラで混ぜながら煮上げます。ルウが鍋はだから、まとまってはがれるようになったら火から下ろして、全卵を一個ずつ加えて手早く混ぜます。全卵を加え終えたらコアントロなど好みの洋酒などを加えます。揚げ油を180 ℃に熱して、パートを絞り出しながらナイフで口金にそって切り落として3 ~4分間でしっかりと揚げます。すぐにペーパータオルに取ります。このあと扉を開けた中火のオーブンに入れて余分な油をとばします。粉砂糖をふりかけて温かいうちに供します。ソースを添える場合には、以下配合(ラズベリー150g、水300ml、レモン1/2 個、キルシュ適量)のソースを添えます。これは手鍋にラズベリーと水、レモン果汁を加えて火にかけます。全体がジャム状になったら裏漉しします。キルシュを加えて味を整えます。

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