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Histoire de mille nuits 07

07_そう春だから夢を見て。

梅の花も咲きはじめ、春が、近づいてきました。春のデザートといえば、その名のとおり「春のような」という名のクレム・プランタニエール(CREMES PRINTANIERES)があります。これはバヴァロワの系統から派生したもので、バヴァロワのアパレイユにジェノワーズの大きい角切りとフリュイ・コンフィのサルピコンを加えて、好みのリキュールで香りをつけ、浅いタンバル型に入れて冷やすものです。写真のように、華やかで、春を感じさせてくれます。春の料理メニューには次のようなものがあります。これは「料理人と仕事」四季のメニュー項からで、読んでるだけでも、おいしそうな、春が感じられます。

春のメニューオードブルは、はまぐりの白ぶどう酒蒸し、四色風味。

はまぐりは、ひとり四個あて。酒蒸しかオーブンで火をとおして。片っぽの殻をはずしてしまう。そして四色ソースを、別々に、身のうえにかけて、殻を満たす。この四色は、色どりと味のバランスの問題だけです。スープは鳩のコンソメ、ココット入り。鳩のガラを加えて引いたコンソメに…。魚料理は、小えびのムースに、味の単調さをさけるために、うえにキャビアを盛る。周囲には、ゆでたグリーンアスパラガスを裏ごしして、生クリームでのばしたソース。

肉料理は、牛フィレ肉の薄切りソテー、甘酸風味。

薄切り(ラメル)というと、たいていはソテーと決まっているので、ブフ・ソテと、あえて書かなくてもいいでしょう。サラダは、アンディーブとりんごのフレンチドレッシングあえ。デザート、そう、春だから夢を見て、すみれのシャーベット(ソルベ・オ・ヴィオレット)。これはバイオレットリキュールに、すこしキルシュを加えて、卵白を入れずにシャーベットをまわし、粗い星口金で、リキュールグラスに絞り入れる。すみれの砂糖漬けをのせて、金粉をちょっとだけ、ちらします。「すみれ色の憧れ(オーレーヴ・ヴィオレ)」としても、いいですね。」春だから、夢を見て。いいですね、実際に、オードブルから注文したいのですが…、残念ながら、すみれのシャーベットもありません。そこで、春は桜、「桜のシャーベット」などいかがですか。きれいなアメ細工の花にシャーベットが盛られています。このデザートもきっと春を感じてもらえると思います。桜が咲いたら、想い出してください。

桜のシャーベット花飾り(Sorbet SAKURA no HANA)

桜の花のシロップ漬けを利用したシャーベットを、アメで作った花に盛りつけます。とても華やかで食卓が輝いてきます。春のアントルメとして、また、お祝いの席にも、ぜひ試みたいひと品です。

シロップ(ボーメ30)550g、水500g、桜のシロップ漬け300g、桜リキュール50g

桜の花をシロップ漬けにしたもの(これは市販品もあります)にシロップと水を加えて、ジューサーにかけて細かく砕きます。シノワにとおして、丁寧に濾します。リキュールを加えて香味を整えます。常のとおりにソルベティエールにかけます。このアントルメは供する前日までに、桜の花を模したアメ細工を用意しておきます。供する時間に合わせて、桜のシャーベットを小さな玉状にカットしておき、これは冷凍庫で冷やしておきます。好みの皿にアメ細工の花を並べて、そこに桜のシャーベットを盛ります。すぐに供します。ボーメ30度のシロップは、水500mlに砂糖625gを手鍋にいれて、直火にかけて沸騰させます。沸騰したら、すぐに火からおろして鍋ごと冷まします。

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