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Cuisine et travail 04

04_料理人と仕事 料理人の必須条件01

健康な身体

それでは、料理人として出発するとき、どうしても必要な条件はなにか。

最初は「なにがなんでも健康でなければならない」、これをやはり、第一とします。本人が健康体でなければ、料理人としての労働がつとまらない、というのがひとつ。もうひとつは、健康な人と健康でない人とでは、五感において、感覚的なズレが生じるということです。

洋食のひと皿なりフルコースは「相手の嗜好にあわせてつくる料理」ではないでしょう。これは、家庭や寿司屋などとくらべるとわかりますね。家庭の料理は、家族にあわせる、寿司屋の製品は、目のまえのお客の注文にあわせる。これにひきかえ、料理人は、わりあい当てがいぶちにものをつくって、それを食べてもらって、喜んでもらうわけです。

したがって、つくるものを、不特定多数の嗜好の、一般的な許容範囲内におさめるには、つくる者の五感が、ともかく、正常の範囲になければならない。

感覚には幅があるといっても、トレーニングされた五感の最低線が、一般基準より下にあるのでは論外だし、五感の振幅を、もっとも大きくするのが、身体の条件、とりわけ〝健康度〟というものです。それに、最近思うのは、歯のわるい人、腰のわるい人、からだの弱い人、これらは、料理人として適当でないということ。

歯も腰もからだ全体も、料理人をやっていて、良くなるわけがないですよ。料理人は、養生しながらできる仕事ではないから、若くして慢性疾患がある人は、年とともに、わるくなる一方です。とくに、歯をふくめた口中のわるさは、味覚の劣化へ、腰の病気は、事故にむすびつく。遅かれ早かれ、これが原因で、料理人としての、限界というようなものが予想されます。

いかなる職業も、限界をおそれながら選択するのではいけません。無限の可能性によってのみ、職業の永続性はささえられると、ぼくは思う。したがって、慢性疾患のうち、とくに持病といわれるもの、その種類によっては、「なにも料理人だけが職業じゃないですよ」と言います。

それがない場合には、身体上の健康チェックと、それにつづく健康なからだの保全とを、料理人の職場外の職務、および、第一の必須条件とします。

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