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ディケンズとディナーを

A5版軽装
総256ページ
セドリック・ディケンズ 著
石田 敏行、石田 洋子 訳
木沢 武男 監修
発行 : 有)モーリス・カンパニー

ディケンズの小説で出てくる家伝の料理400レシピ

著者はひ孫。登場人物といっしょに家伝の料理法を語ります。ディケンズ小説中の人物とディナーをいかがですか? 。英国のディケンズ家伝の料理法など、読んで楽しい料理書です。「食文化が成熟してくると、古今東西の文学の食事場面を抜粋し、その調理法をまとめる「美味求文」 の書がしばしば現れる。本書も「二都物語」「オリバー・トゥイスト」などで有名なディケンズの小説の中の食べ物散歩だが、類書の中でも際立っている点が二つ。

まず、この文豪は、食べ物の好みによって登場人物の性格を暗示したり、料理を物語の展開に利用するほど 食べ物を作中で"料理する" 腕にたけていた点、そして著者自身、ディケンズの曾孫で、家伝の調理法を受け継いでいる人物という点だ。

はじめに

人生2つの楽しみというものが私にはあります。それは「食べること」と「飲むこと」です。そのおかげで友達もでき、楽しいおつきあいを続けています。いやな事の多い世の中でも、大勢の親友を持てて、私はとても幸せ者です。さて、食べ物の好みは人によりさまざまです。以前に評判の高いシェフの卵焼きを見せてもらったことがあります。彼は自分が一番良いとする焼き方をしたのですが、私にはおいしいと思えませんでした。こんなわけで、この本は私が一番おいしいと思う料理法をご紹介しようと思います。

食事の際に「苦い薬」ならぬ美酒を飲めるというのもすばらしい事です。しかし食事の量を制限したり、インスタント食品をつい利用してしまう人の気持ちもわかります。この本では、たぶんそのような人々をも、食事の冒険におさそいできると思います。前に申しました通り、食事の好みは人によりさまざまです。これからご紹介するレシピは私が大いに自信を持っているものですが、盲目的に従う必要はありません。調理の「心」をつかんだら、あとはあなたが創造して下さい。料理は本当に面白いものです。自己流で結構です。料理にあうお酒があれば、それこそ最高。名作「クリスマス・キャロル」に登場するガチョウの丸焼きやプディングなど、随所に現れる写実的な描写は、ビクトリア朝の食生活をほうふつさせるに十分。」(日本経済新聞社・家庭図書館欄より)